国内販売開始となったFreeSpeak IIのレビュー
2016.03.02

FreeSpeak IIのレビュー

今回レビューを行ったのは、FreeSpeak IIユーザーであるジェームズ・ブレワード氏です。ブレワード氏はUK駐在のフリーランスのコミュニケーションコンサルタントデザイナーでありサウンドエンジニアです。

なぜFreeSpeak IIを選ばれたのですか?

どのような複雑なプロダクションにおいても、大きなイベントでは大人数で使用できる相互コミュニケーションシステムは必須です。FreeSpeak IIは1.9GHzのDECT帯を使用しており、ラジオマイク周波数やIM周波数を妨害することがありません。

2014年スコットランドで行われた英国連邦競技会のステージ設計段階では、まだFreeSpeak IIは発売されていませんでした。そのためClear-ComのUK拠点を訪れ、事前に何ができるのかを確認しました。今までの伝統を見ている限り、このような大きなイベント式典では、大規模でありながらシンプルなシステムにすることが一番理想的です。技術的に限界に近いことをすると、リスクがとても大きいと思います。世界中に配信されるTV番組を制作しているので失敗はできません。

私は誇大広告ではないことを確認するためにClear-ComのUK拠点に行き、実際に製品を試しました。スコットランドにFreeSpeak II一式を送ってもらい、スタジアム内でもテストを行いました。リハーサルを始める前にベストな運営を考えClear-Comのスタッフにプログラミングの疑問を解決してもらい、システムが最適であることを確認しました。

FreeSpeak IIのどこが好きですか?

まず、Cat5ケーブルによる容易な機器配置です。アンテナスプリッターとベースステーション/アンテナ間は800mまで延長できます。スタジアム上部の円周が約1200mの場合であれば、800m以内のケーブルで配線することは難しくありません。また設定ソフトウェアもとてもよかったです。システムをプログラムし定義することは簡単でした。さらにベルトパックの充電に関しては、1台の充電器で充電池が入ったベルトパックのままでも、充電池単体でも充電ができるようになっています。ベルトパックを使用しているときに、予備の電池を充電できることはとても効率が良いと感じました。

他にどのような機能を希望しますか?

もともとはEclipseの機能として設定できるフォースドリッスン(常にリッスン状態)仕様となっていました。本来は他のベルトパックユーザーが、トークボタンを押している時だけにリッスンが機能していれば済むのですが、常にリッスンとなっていることは問題だと思っていました。しかしこれはすでに改良されていると思います。

また、A、Bチャンネルの音量調整はレベルアッテネーターによるダイレクトコントロールが可能ですが、チャンネルC、Dはメニューを介して調整を行う必要があります。この点についてもClear-Comの技術スタッフが改善のために動いていることを知っています。

FreeSpeak IIは確かに安い製品ではありません、しかしとても充実した機能を持っています。そうですね、確かに安ければ予算の限られたプロダクションにおいても使用することができるかもしれませんが、このような製品の開発・生産には費用がかかることを理解し、ありがたく使用したいものですね。

どこでこの製品を使用されましたか?

2014年英国連邦競技会の開幕式で使いました。また、ラグビーワールドカップでも予算が厳しくなければ使用していました。ウィンブルドン選手権でも採用しましたが、今までで経験した同時通話ワイヤレスシステムとしては一番良い機器だと思ったので、また来年も使用するつもりです。実際に機器を手にしたユーザーは気持ちよく使えたそうです。最先端技術に詳しくはなく、初めて使用したユーザーですが、FreeSpeak IIシステムは完成しており、ボタンを押し話すだけで済んだのです。

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