Clear-Comが米プロフットボールNFLドラフトで採用
2020.07.10
Sound and Vision Entertainment(SAV)は、2020年春のドラフトを放送するために必要な安全な通信インフラの提供に協力し、COVID-19のパンデミックにより、リモートで仕事をしているすべての制作スタッフをつなぎました。LQ IPシリーズとともにClear-Com Eclipse HXデジタルマトリックスシステムは、この放送に必要なリモートAgent-ICインターカムアプリクライアントの大規模ネットワークをサポートするインターカムソリューションとして選択されました。
世界的な旅行制限のため、これからのシーズンに向けて新たに選手を指名するアメリカプロフットボールNFLのドラフトが初めてビデオ会議で開催されました。
ラスベガスで計画されていた壮大なライブイベントの代わりに、すべてのチームの指名がバーチャルで行われ、リーグ放送の選局はコミッショナーの地下室や他のさまざまな場所から行われました。この歴史的なドラフトは4月23日~25日まで生放送されました。
Freeman、SAVのブレイディ・ベラヴェク氏、およびShow Machineのエンジニアであるデイブ・ラゲイン氏は、リーグ、ネットワーク、およびすべての制作スタッフ間のコミュニケーションをコントロールするために雇用されました。Freemanはベラヴェク氏とラゲイン氏とともに10年以上にわたってドラフトの通信ソリューションを提供してきましたが、バーチャル化された環境ではありませんでした。
ベラヴェク氏は「ドラフト放送をバーチャル化する決定が下されたとき、私たちは信頼性の高い安全なリモートコミュニケーションソリューションを考え出す必要があり、多くのチャンネル間で自由にコミュニケーションが取りながら、多数の制作スタッフが家から操作できるソリューションが求められました。最大の課題の1つであることが判明したのは、個人の家やオフィスでのISP接続の管理であり、サイバーセキュリティの脅威について当然のことながら懸念していたリーグのセキュリティ要件が課題でした。」とコメントしています。
LQライセンス数の要求とファイアウォールの懸念が高まると、SAVとFreemanはClear-Comにサポートを依頼し、前例のないオファーを受けました。
Clear-Comのアプリケーションエンジニアマネージャーであるジャスティン・エムゲ氏は「当社のアラメダ本社にAE Lab Eclipse HXシステムがあり、製品全体でリモートデモを実行するために使用しているため、必要なソフトウェアライセンスがすでにインストールされており、多数のリモートAgent-ICクライアントユーザーを処理するためにIPインフラが設定されています。FreemanとSAVはすでに私たちの機器に精通していたため、緊急処置として提案しましたが、喜んで受け入れてくれました。」と説明しています。
制作スタッフの80人以上のメンバーが、Clear-ComのAgent-ICモバイルアプリをiOSおよびAndroidモバイルデバイスにダウンロードしました。これらのデバイスは主にEclipse HXシステム、またはロサンゼルスのSAVにセットアップされたLQシステムに接続されました。そして、Agent-ICとさまざまなコントロールルーム間の通信のために、EclipseシステムとLQシステムの両方がいくつかの電話会議回線に接続されました。
Agent-ICは、ロケーション撮影、リモート調整、その他の重要なタスク向けの実績のあるコスト効率の高いソリューションです。モバイルデバイスを、既存のワークフローに統合し、3G、4G、LTEまたはWi-Fiネットワークで安全に接続し、フル機能の使いやすいインターカムパネルに変えます。
ラゲイン氏は「多くのスタッフがAgent-ICを使用したのはこれが初めてでしたが、通常のインターカムパネルのように使用できるので、アプリの操作方法について1ページの説明ガイドを用意しただけで、とても短期間で習得できました。各スタッフは、必要に応じてさまざまなオーディオストリームをオンまたはオフにするオプションを使用して、特定のスタッフ間で会話するだけでなく、必要なだけ多くの会議回線に耳を傾け、話をすることができました。」とコメントしています。
EclipseシステムはClear-Comの企業ネットワークに接続されていたため、Clear-ComのIT部門は、必要なISPデータ接続がすべて適切に実行されていること、ファイアウォールが必要なすべての接続を促進できることを確認し、3日間のイベントで100%の稼働時間を保証しました。
ベラヴェク氏は「この規模のリモートプロダクションを行うようにアプローチされたことはありませんでした。しかし、私たちが達成できたことをとても誇りに思っており、制作チーム全体が物事がスムーズに進んだことに感激しました。」とコメントしています。
約80台のAgent-ICの接続、10人向け会議用の最大9つの会議回線、ロサンゼルスに拠点を置くバックアップ機器に接続する7つの音声トランクを含め、90〜100以上のエンドポイント接続がありました。
ラゲイン氏は「誰もがどこにいても作業を行うことができ、通常のスタジオ制作と同じく、個人対個人およびグループのコミュニケーションオプションを維持することができました」と言います。
エムゲ氏は「この進化していく状況に対応するため、制作チームは新しいリモートワークフローを急いで考案する必要があります。Clear-ComはSAVやFreemanと提携し、このようなタイトスケジュールで解決策を提案できたことを嬉しく思います。ドラフト放送のコミュニケーションソリューションは、パートナーとのコラボレーションの好例です。大小問わず、バーチャル化する必要がある他のイベントにも対応可能なコミュニケーションワークフローの発展を支援できることを嬉しく思います。」と結論づけます。