英ブリストル・テンプル・ミーズ駅にAuracast™対応補聴支援システム「Auri™」が導入
Ampetronic社、鉄道・公共交通機関への世界初の実装事例として運用を開始
2025.08.07

英ブリストル・テンプル・ミーズ駅にAuracast™対応補聴支援システム「Auri™」を導入完了

2025年7月30日、英国の補聴支援システムメーカーAmpetronic社は、英ブリストルにある主要鉄道駅「ブリストル・テンプル・ミーズ駅」において、Auracast™対応の補聴支援システム「Auri™」の設置を完了したと発表しました。Auri™は、Ampetronic社とListen Technologies社が共同開発した、Auracast™ブロードキャストオーディオ技術を活用した世界初の本格的な補聴支援ソリューションです。今回の設置は交通機関での初の導入事例となっており、公共交通におけるアクセシビリティ向上の新たな取り組みとして注目されています。

駅構内の主要エリアに10台の送信機を設置

本導入は、英国の鉄道運営会社Network RailおよびInnovate UKの支援を受け、Connected Places Catapultが主導する「ステーション・イノベーション・ゾーン」プログラムの一環として実施されました。このプログラムは、駅構内における技術革新の実証・評価の場を提供することを目的としています。

Ampetronic社は、ブリストル・テンプル・ミーズ駅の9~12番ホーム、地下通路、切符売り場などの人通りの多いエリアに、Auriの送信機10台を設置。加えて、現地での動作検証も行い、安定したカバレッジと音質が確保されていることが確認されました。

ブリストル・テンプル・ミーズ駅
ブリストル・テンプル・ミーズ駅
Auri送信器
設置されたAuri送信器
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Auracast™対応デバイスでアナウンスを直接受信

導入エリアでは、Auracast™に対応した補聴器やイヤホン、スマートフォンなどのデバイスを持つ利用者が、駅構内の放送(安全案内、運行情報、乗換案内など)をリアルタイムかつクリアな音声で受信することができます。

駅構内の騒音下でも必要な情報を耳元で直接聞くことができるため、聴覚障害のある方はもちろん、多言語話者や騒音が苦手な人、駅利用に不慣れな旅行者など、さまざまな利用者のサポートが期待されています。

利用者による実証実験も実施中

Ampetronic社は、英国の聴覚支援団体であるRNID(Royal National Institute for Deaf People)と連携し、実際の利用者によるトライアルも進められています。Auri™の有効性や、技術の使いやすさ、既存システムとの連携など多角的な評価を行っています。

Ampetronic社 ビジネス開発マネージャーのジョナサン・ホスキン氏は次のようにコメントしています:

「駅構内でAuri™を実際に体験された方々からは非常に前向きなご意見をいただいております。より多くの方にこの技術をご体験いただき、駅を快適かつ安心してご利用いただけるようになれば嬉しいです。」
さらにホスキン氏は、評価の重要性を次のように語ります:
「今回のトライアルで得られるご意見や知見は、アクセシビリティや利用者体験の向上、駅運営の効率化に貢献すると確信しています。」

日本の鉄道・公共交通機関への展開に向けて

日本国内においても、インバウンドの増加や高齢化社会の進行、多様性への対応といった背景から、公共交通機関におけるアクセシビリティ向上の重要性が高まっています。特に駅構内やバス、空港などの混雑環境では、「聞こえづらさ」が移動のストレスや不安要因となることも少なくありません。

Auri™は、既存のアナウンスシステムと連携しながら、利用者が自分のスマートフォンやイヤホンなどのデバイスを通じて、必要な情報を明瞭に受信できる環境を提供します。弊社では、Auri™機器の国内向けデモンストレーションも実施しております。導入をご検討中の交通事業者様や施設管理者様、また技術にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「Auracast™」とは?解説はこちら▼

誰でもわかる AURACAST™

※Bluetooth®ワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.の登録商標です。Auracast™ワードマークおよびロゴは、Bluetooth SIG, Inc.の商標です。

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