Bluetooth東京セミナー2025/CEATECH 2025にてAuri™によるAuracast™音声配信を実施
2025.10.29イベント
2025年10月14日に幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」内のAuracast特別イベント、および16日に東京都日本橋の室町三井ホール&カンファレンスで開催された「Bluetooth Tokyo Seminar 2025」の両会場において、Ampetronic社製「Auri™」がAuracast™デモンストレーション用の音声配信システムとして採用されました。
Auri™は1台で2チャンネルの音声配信が可能な業務用Auracast™送信機で、公共空間や企業施設などでの導入が進む次世代音声配信ソリューションです。会場内では、Auri™によってプレゼンター音声と同時通訳音声がリアルタイムに配信され、参加者はAuracast™対応デバイスやAuri™専用受信機を使用して、高音質なBluetooth LE Audioの体験を行いました。
Bluetooth Tokyo Seminar 2025
「Bluetooth Tokyo Seminar 2025」は、Bluetooth®技術の最新動向を紹介する年に一度の技術セミナーです。会場・オンライン合わせて多くの技術者、メーカー関係者、教育機関、行政機関など、多岐にわたる参加者が集まり、Bluetooth技術の発展と応用について活発な議論が行われました。主催のBluetooth Special Interest Group(SIG)は、Bluetooth®技術の普及と標準化を推進する国際業界団体であり、世界中のメーカー、デベロッパー、研究機関などが参加しています。現在、メンバー企業数および認証製品数のいずれも日本は世界第3位を誇り、日本市場がBluetooth技術の発展において極めて重要なポジションを担っていることが示されました。
Bluetooth SIGのマーケティング最高責任者であるケン・コルダラップ氏は、「つながりの力で、より良い世界へ」というビジョンを明確にし、Bluetooth技術が健康、ウェルビーイング、サステナビリティといった多様な分野で人々の生活を支える存在であることを示し、Auracast™を含む最新機能の進化とともに、今後の技術ロードマップを発表しました。特に、Bluetooth オーディオの高周波数帯対応やハイレゾ&ロスレスオーディオ対応が2026年頃策定予定であると発表し、複数の機能強化が計画されていることが紹介されました。これらの進化により、Bluetooth技術は音声通信だけでなく、映像、医療、ゲームなど多様な領域における高品質・低遅延な通信基盤としての役割をさらに拡大していくことが期待されています。
続いて登壇したソニー株式会社 技術センター 音響システム技術部門の関 正彦氏は、「LE Audio / Auracast対応製品の拡大」をテーマに講演を行いました。ソニーはコンシューマー向け機器メーカーとして、プライベート利用(家庭・個人向け)とパブリック利用(空港・鉄道・美術館・商業施設など)の両面を視野に入れた製品展開を推進。Auracast™を活用した空港や駅での案内放送、美術館ガイド、デジタルサイネージでの広告配信など、多様なユースケースが提示されました。さらに、国内初となるAuracast対応コンサート「こども音楽フェスティバル 2025」の実施を紹介し、実運用を通じた技術検証や課題克服、仕様拡張への積極的な取り組みが報告されました。
Bluetooth SIG取締役会メンバーである株式会社東芝 技術企画部 シニアエキスパート 足立 克己氏も登壇し、「Auracast™がもたらす新たなコミュニケーションの形」をテーマに講演しました。Auracast™が「1対多」の音声配信や「感動の共有」といったパーソナルな用途にとどまらず、交通、教育、イベント、商業空間などの公共・インフラ領域において、情報伝達の新たなスタンダードになりうることを強調しました。
続いて行われたパネルディスカッション「国内におけるAuracast™普及の展望」では、東芝、ソニー、ヒビノ、リオン、パナソニックの各社が登壇。送信機・受信機メーカーの立場から、普及に向けた課題と今後の展望について意見を交わしました。特に、大手スマートフォンOSの対応状況と今後のロードマップが注目を集め、既にAuracast™に対応しているソニー製Xperiaをはじめ、今後さらなる対応ブランドの拡大に期待が寄せられました。各社は自社の取り組みを共有しながら、公共・民間双方での導入事例創出と認知拡大の重要性を確認しました。
会場では、各社メーカーによるAuracast™対応デバイスの展示ブースも設けられ、来場者が最新機器を体験できるコーナーが展開されました。展示には、ソニー製ワイヤレスイヤホン「LinkBuds Open」「WF-1000XM5」やヘッドフォン「WH-1000XM6」、GNヒアリング製補聴器「リサウンド・ビビア™」、シーイヤー株式会社のAuracast対応スピーカー「Cear pavé」など、多彩な製品が並び、イヤホン・補聴器・スピーカーといった多様なデバイスでのAuracast受信体験が紹介されました。
CEATECH 2025
10月14日(火)に幕張メッセで開催された「CEATECH 2025」では、「Bluetoothの新技術、Auracast™の力で公共空間の音声体験を変える」をテーマにした特別セッションが実施されました。Bluetooth SIG APAC&中国担当シニアディレクターのロリ・リー氏をはじめ、シーイヤー株式会社 代表取締役 村山好孝氏、リオン株式会社 執行役員 医療機器事業部長 太田昌孝氏、ソニー株式会社 技術センター 音響システム技術部門 関 正彦氏が登壇しました。セッションでは、「Auracast™」の基本原理から実際のユースケース、さらに今後の展望までが紹介されました。
講演中の音声配信には、Bluetooth Tokyoに先駆け、同様にAmpetronic社製Auri™が採用され、会場内ではプレゼンター音声と同時通訳音声がAuracast™によってリアルタイムに配信されました。
弊社では現在、国内市場におけるAuracast™の可能性を広く知っていただくため、Auri™の製品デモンストレーションを随時実施しております。導入をご検討中の企業様や、技術にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
