NDI HX3活用:Lumensが切り拓く高品質・低遅延のAVワークフロー

NDIとは?
NDI(Network Device Interface)は、NewTek社が開発したIP映像伝送技術です。双方向の音声・映像伝送を実現し、低遅延伝送、高品質エンコード、リアルタイム制作に最適化されているため、ライブイベントや制作現場などIPベースの制作ワークフローで幅広く利用されています。

NDI HXとは?
NDIには主に「フルNDI」と「NDI HX」の2形式があり、フルNDI(High Bandwidth)は最高品質のビジュアル体験を求める放送局やプロフェッショナル向けのフォーマットで、そのデータレートは非常に高くなります。一方、NDI HXは映像品質や遅延をわずかに犠牲にする代わりに、H.264やHEVCエンコードによりビットレートを大幅に抑え、限られた帯域幅でも高画質映像を配信できるのが特長です。これにより、コスト効率の良い1GbEネットワークでの伝送が可能となります。

NDI HX3とは?
NDI HX3は、HXの低帯域利用のメリットを維持しつつ、極めて高画質かつ低遅延の映像配信を実現したHXフォーマットの最新版です。必要とする帯域は従来HXよりやや増加しますが、フルNDIに比べればごくわずかです。画質と遅延の点で、NDI High Bandwidthとほぼ同等の視覚的ロスレス品質を実現しつつ、1GbE LAN上で快適に動作する帯域効率を維持。色再現や動きの描写に優れ、他の多くの映像IPフォーマットと比較しても優位性があります。

他のIP映像フォーマットとの比較
市場にはRTSP、SRT、RTMP、HLSなど多数のIPフォーマットが存在しますが、それぞれ役割は異なります。NDIは共同制作ワークフローに最適化されており、追加のキャプチャ機材や変換を必要とせず、ストリームやファイルをリアルタイムで共有可能。これにより制作時間を短縮し、創造性を無限に広げます。
なぜライブ制作でNDIが人気なのか?
ライブイベントやProAVの現場では、NDIによりカメラ、スイッチャー、エンコーダー、レコーダーをCat5/Cat6ケーブルで簡単に接続できます。高品質かつ低遅延の映像を提供し、放送・ライブ制作の分野で急速に普及しています。近年では大型センサー搭載カメラや、30倍ズーム・モーショントラッキング対応のNDI HX3 PTZカメラも登場し、最新技術を活用した制作が可能になっています。

ビデオ会議・UC環境におけるNDIの役割
NDI HX3はLAN上で運用できる帯域効率とリモート管理機能を備えており、AV・ITチームにとって有力な選択肢です。実運用ではVLANによる分離が推奨されます。ZoomやTeamsなど一部プラットフォームはNDI HXをサポートしていますが、多くの現場では専用のNDIデコーダーでUSBに変換して利用しています。
セキュリティは問題か?
NDIは元々、低遅延AV伝送と映像品質を重視して開発され、セキュリティは二次的要素とされていました。しかし、企業・金融・教育・公共分野ではデータ保護が必須です。NDIストリームを保護する方法として次のような手段が推奨されます:
VLANなどセグメント化ネットワークを構築
AES暗号化と認証を備えたNDI Bridgeの利用
NDI Access Managerによるアクセス制御
ファイアウォールやACLでユーザー権限を制限
許可されたデバイスとポートのみでNDI通信を許可
Wireshark等で未知の受信機を監視し、不正アクセスを検知
Wi-Fiや公開ネットワークでの使用を避ける
2025年のNDI最新情報
2025年5月にはNDI 6.2が発表され、NDIネットワークにおける高度なデバイス検出機能が追加されました。さらに、映像フォーマット、コーデック、フレームレート、解像度、接続状態などをリアルタイムで監視できる新機能も導入。今後メーカー各社に実装が広がり、ProAV分野での運用管理が一層容易になると期待されています。
Lumensが展開するNDI対応製品
カテゴリ | 型番 |
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NDIカメラ |
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カメラコントローラー | VS-KB21N:IPカメラコントローラー(NDI HX3) |
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